都立墨東病院は、胎児異常や切迫流産などリスクの高い妊娠に高度医療を提供する「総合周産期母子医療センター」の指定を受けていた。全国74の指定病院のうち都内に9つのセンターがあるなど、地方に比べて医師数が多く、医療体制が整っているはずの都心部でも、受け入れ拒否による妊婦死亡という最悪の事態を防げなかった。専門家は背景に、医師不足などが原因で緊急時に十分な医療が提供できなくなっている事態が都市部でも例外でなくなっていると指摘する。
総務省消防庁が今年3月にまとめた調査によると、平成19年に救急搬送されたケースは約41万1000件。このうち医療機関に4回以上の照会をした上で搬送先が決まったケースが1万4387件。都内は特に深刻で、11回以上照会したケースは全体の約6割に当たる614件に上った。
いわゆる「たらい回し」の背景にあるのが医師不足だ。中でも、医師にとって事故の際の訴訟リスクが高く、勤務時間が不規則な産科医と救急医は他の診療科目と比べても、医師不足が深刻化。特に産科医は18年末で10年前に比べて1割減の1万74人となっている。
日本産科婦人科学会常務理事の岡井崇昭和大教授は「東京は地方に比べて恵まれてはいるが、どこも医師不足などの影響で、産科医はギリギリの状態」と強調。「医師が確保できず十分な医療が提供できない状況は増えており、高度な医療が提供できるセンターもその影響が出た」と指摘する。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000118-san-soci
